「クレジットカードのショッピング枠を現金化」にご注意

広告などでもよく見かける「クレジットカードのショッピング枠の現金化」は、その名の通り、お手持ちのクレジットカードで業者が指定するものを分割やリボ払いなどで購入して、その商品を買い取って貰ったり、キャッシュバックという形で現金化するサービスの事です。

このサービス自体を規制するような法律は、現在の所ありませんが、様々なの問題点が取り沙汰されています。

実質的にはかなりの高金利になる

購入した商品を買い取って貰ったり、キャッシュバックして貰ったりすることで手元に現金は残りますが、概ね手数料として10％程度差し引かれる上、クレジットカード会社への支払い義務は残り、当然ながら支払いが完了するまでは分割手数料やリボ金利などが発生しますので、計算してみると、実際にはかなりの高金利な借入となってしまいます。

10万円を借り入れて、翌月返済した場合をキャッシングと比較してみましょう。

10万円が必要なので、クレジットカード現金化の場合は、手数料で10％差し引かれる事を前提に考えて、111,111円の商品を購入したとして計算しております。

※111,111円から10％の手数料を取られた場合、正確には残金が99,999円となりますが、計算を平易にするため、100,000円として表示しています。

なんと、実質的な金利が闇金もびっくりの年利151.1％という数字になってしまいました。
これは、返済期間が短い事から手数料として取られる金額の割合が高くなってしまうため、余計に数字が際立ってしまう部分もありますので、同条件で12ヶ月で返済した場合もキャッシングと比較してみましょう。

返済期間が延びたことで手数料として差し引かれる金額の割合が減った事で、若干数字は良くなったようですが、それでも一昔前の消費者金融のグレーゾーン金利の様な金利設定となってしまいました。

手数料として差し引かれる金額を考慮すると、どう頑張ってもキャッシングを利用した方がお得そうです。

法的にはグレーゾーン

前述の通り、「クレジットカードのショッピング枠の現金化」は、これ自体を取り締まる法律がないので、現時点において違法か否かで言えば違法ではありません。

ただし、規制する法律がないと言うことは、「ユーザー保護」に関する法的な仕組みもないという事でもあり、業者を選別する法的基準もないと言うことですから、ご自身の判断において注意が必要となります。

実際に、買取の段階で、当初の半額しか振り込まれなかったという詐欺事件ともいえる事例や、解約をしようとしたら、キャンセル料を上乗せされて請求をされた、キャンセルをしたのに口座引き落としがされていた等の事例も有りますが、業者を規制する法律がない以上、その業者が姿を眩ませてしまったら、刑事事件としての告発は可能ですが、そのお金が返ってくる保証は何処にもないのです。

クレジットカード会社的にはアウト

「クレジットカードのショッピング枠の現金化」については、ユーザーと業者間においては、実質的な法的規制がないためグレーゾーン扱いとなりますが、ユーザーとクレジットカード会社との間においては、この行為自体を契約違反としており、判明した場合には、退会処分等になることもあり、 退会処分になった場合には利用金額を一括で支払わねばならない等の恐れもあります。

また、消費者庁では、 「クレジットカード現金化」が不正な利用方法であることを知りながら利用した場合には、 ユーザー自身も詐欺罪（刑法第246条）等に抵触する可能性があると指摘しています。

クレジットカード現金化に関するまとめ

「クレジットカードのショッピング枠の現金化」は、既にクレジットカードをお持ちの方であれば、簡単な手続きで利用出来ることから、キャッシング契約に抵抗のある方や、すでに多重債務状態で簡単にはお金を借りれない方等から一定のニーズを集めているようですが、上記にお示ししたようなリスクがあることをご理解頂き、ご利用の前に、本当に他に方法がないのか良く考えていただく事を強くオススメします。

参考：「ストップ！クレジットカード現金化」（消費者庁）